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「イタリアスキー探索隊2001年は何処へ」の巻
清水・興津川の清流

 今年の夏は七月からいきなり暑かったので、週末になると清水の興津川へ行ってはテント張り、川の音を聞きながらビールを飲み、満天の星を見上げてはワインをあけていた。清水は元々サンチャゴ丸船長剣持孝雄の生まれ故郷だが、ヨットや釣りや「城攻め」と称する城跡合戦場巡りにお供しているうちに、年中清水に行くようになってしまったわけなのだ。

 興津川の上流西里には漆黒の闇がある。そこには明かりひとつ見えない真の暗闇が広がっていて、都会暮らしで暗黒の空間に身を置くことがない者にも、原始の闇の記憶を呼び覚ましてくれる。天空の星はひとつひとつが大きく光り輝いて、天の川と星雲の彼方の永遠に、否応もなく思いをいたしてしまうのである。

 川の流れは急で水はあくまで澄んでいる。川岸の岩の上から冷たい水に飛び込むと、一瞬にして時間を遡り少年時代に立ち戻ってしまうのが不思議である。増水する川に飛び込むような無茶をしなければとりあえず安全も確保されている。トイレは水洗だし、水道も流し場もある。

 これらは管理された自然や暗闇に過ぎないということもできるが、自然を忘れ畏怖することもなく暮らしている今時の子供ばかりでなく、大人も、ほど程に管理され安全が確保されているからこそ、こうした闇を体験してみた方がいいのではないだろうか。

 蒲原城、二俣城、長篠城等、東海道に沿った「城攻め」に同道して、駿河と遠江の国に進出したかった武田信玄の気持ちがよく分かった。海の幸にも山の幸にも恵まれ、山に暮らしても海に出られ、海に住んでも山が近い。気候も温暖で実にいいところだからである。

 東京はますますメガロポリスと化して、人が吐き出すゴミと廃棄物が環境や生態系も蝕んでいく。そこから逃れたつもりで住んでいる神奈川といえ、都会には違いないが、今の自分にとって精神の均衡が保てるぎりぎりの場所が茅ヶ崎であるのかもしれない。それでも均衡が破れそうになると、イタリアへ出かけてバランスを保っているということだろうか。

 静岡には日本人がこの半世紀で失った大切なものが残っていて、海も山も川もいつも身近に感じられる。近くにこんなにいいところがあるなんて、「静岡は日本のイタリアだあ」と、暇さえあれば清水に出かけてしまう夏なのだった。

 そのついでに、各地の花火大会もよく見て回った。夏はなんといっても花火である。海の日7月20日、横浜みなと祭りの花火を海上から見たのを皮切りに、静岡安倍川の花火、清水の港祭り花火、神宮外苑花火、地元茅ヶ崎花火を見ることができた。締めくくりの8月19〜20日にはサザンオールスターズの茅ヶ崎凱旋コンサートが家から200mの野球場で開かれて、目と鼻の先に思いがけず花火が上がった。風に乗った花火の黒い燃え滓が頭上に降り注いで、夏の終わりを告げるのだった。


名勝「吐月峰」の庭

久能山東照宮


 暑く長かった夏にもいつか秋は忍び寄る。八月の半ばに興津川の川面に飛ぶ赤トンボの姿が目立つようになり、九月第一週にはその数は更に増えて、さすがの猛暑も和らいできた。夜になって鳴く鈴虫、キリギリス、コオロギの虫の音も川の音に負けない程で、Tシャツ短パンでは寒いぐらいになってしまった。

 巡る季節の変わり目は心が動き、夏の終わりには寂しさを感じてしまうのだが、嬉しいことに、今年の夏は未だ終わらない。仕事の関係で、9月20日からシチリアのカターニアに行くことになったのだ。

 「君よ知るや南の国。常夏の国シチリア」。探索隊で10月7日からシチリアへ行くことが前から決まっていたので、偶然とはいえシチリアへ連続的に行けることになって、なんとなく機嫌がいい。10月中旬ならシチリアはまだ泳げるし夏が続いている。

 去年初めて行ったシチリア探索隊は少人数だったので、レンタカーを借りて走ったが、今回は自分を入れて11名なので、人数からしてレンタカーは無理なようである。隊員の一人加藤泰輔はトリノのユベントス、ランチア大好き人間。イタリアを走るのが夢というから、せめてタオルミーナで最後の二日間は車を借りて走らないといけないかなあ。

 あれやこれやバタバタしていれば息つく暇もなく木々が紅葉し、連続的に枯れ葉も散り冬が間近に迫って、身動きできなくなってしまうのが目に見えている。暑い暑いと言っている内に来シーズンのイタリアスキー探索隊の行く先を決めておかなければならない。

 京橋の「浜勢」で剣持孝雄といつものように一杯やりながら「来シーズンも行きたいところはたくさんあるのだ。もっと自由な身になりたい」と叫んだら。「いやあ、今でも誰より十分自由にしているじゃないですか」と切り返された。それもまったく仰有るとおりなので思わず笑って、またビールを飲んでしまった。
剣持孝雄特製
まる剣印のあじの干物

 来春一月のイタリアスキー探索隊は、今年行ったグランデ・グエッラがあまりによかったので、もう一度行ってじっくり挑戦してみようと思う。今度は反時計回りも時間が許せば滑ってしまいたい。帰りにはヴェネツィアへ二泊して久しぶりに海の都を堪能できるようにしたい。

 本当は、ディエゴのいるアラッバにも行きたいし、ドロミテスーパースキー完全制覇を目指して一気に(9)サン・マルティーノ・ディ・カストロッツア(10)ヴァッレ・イザルコを探索したかったのだが、調べてみるとこの二つのスキー場は地理的にかなり離れていて、いっぺんに制覇するのはとても無理だと分かった。

 そこで、三月の探索隊でヴァッレ・イザルコに挑戦して、ついでに、(2)クロンプラッツと(4)ヴァルガルデナの中で、まだ足を踏み入れていないオルティゼイ=ORTISEIを滑ることにしようと思う。出発日は二月最終か三月最初の金曜日か土曜日。日程は10日間で、帰りの都市はベルガモはどうだろうか。

 恒例となったワイン蔵探索もヴェネト州トレンティーノ・アルトアディジェ州、ロムバルディア州にはいくらでもワイン畑があるので、行きたいところばかりで困るくらいだ。

 実りの秋、収穫の秋はワインにとっても仕込みの時期で、この頃になると食欲も戻ってくるしワインもおいしくなる。日本では赤を飲むのがワイン通ということになっているが、イタリアではそんなことはない。赤だけでいいなら、世界中で大量に生産され飲まれている白ワインは一体なんなのだろうか。

 そもそも、魚や白身の肉を食することが多い日本の食事には基本的に白ワインが合うと思う。前号で紹介したスプマンテは祝い酒でもある。おめでたいことがあるときに乾杯するのはスプマンテと白に決まっている。イタリアのスキー場では朝食の時からスプマンテが用意してあって、スキーをするのはめでたいハレの時間だって、やっぱりいいなあ、イタリア。
またシチリアへ行けば…

こんなカジキのカルパッチョが食べられる

ドロミテがわたしたちを呼んでいる


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