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「必ず晴れるイタリアスキー」の巻

 今年は一月にアオスタスーパースキー、三月にセストリエーレ、四月がアズリッシモと三回イタリアに行ったが、最も天気が良かったのはセストリエーレであった。

 イタリアへ行って、今まで雪が降るとか荒れるとかで、滑れないということがなかったので、天気について聞かれると、別にこちらはなにも貢献している訳じゃないが、「イタリアはいつ行っても天気がいいからなぁ」
と胸張って自慢してこれた。

 行けば必ず晴れるイタリアスキーの晴天率100%は誇張ではなく、事実、自分が行った最近の五年間を振り返っても、
93年1月18日〜27日コルティナダムペッゾ
93年2月20日〜3月1 日 コルティナダムペッゾ
94年1月20日〜29日シャモニー(仏)。
94年2月11日〜20日 ヴァルガルデナ
95年1月20日〜29日ヴァルディゼール(仏)。
95年4月2〜10日 アオスタスーパースキー
96年2月24日〜3月3日 コルティナダムペッゾ
97年1月11日〜19日マドンナディカムピリオ
97年2月15日〜23日ヴァルガルデナ

 いずこも晴れ渡る青空の記憶は鮮やかである。ただ、この中で、フランスのシャモニーはまあまあだったが、ヴァルディゼールは六泊してスキーができたのは初日だけ、あとは吹雪で全く滑れなかった。どーも、フランスはこちらのようなアジアの田舎者には冷たいようで相性が悪い。そこいくと、いつでも暖かく迎え入れてくれるイタリアは、全戦全勝徹頭徹尾ほころび目ない快晴の進撃であった。

 ところがである、晴天率100%を誇ってきたイタリアスキーに、今年は何の因果か、どーいうワケか、異変が起きてしまったのである。一月のアオスタスーパースキーチェルヴィニアを滑った翌日と翌々日、ラトゥイールを滑ろうと二日にわたってトライした。

 アオスタからクールマイユールへ向かうSS26をプレサンデディエーまで行き、そこから、ドライバーのマルコは箱根か日光いろは坂みたいな山坂道を、大型バスで何度も切り返しをしながら登っていった。ラトゥイールに着き、スキーのあと、午後五時に駐車場へ集合することにして、スキーパス事務所に上の天気を尋ねると、ヌァント、雪が降っていて視界も悪いと言うではありませんか。

 ラトゥイールはMonte Belvedere2642m=モンテ・ベルヴェデーレのイタリア側に展開するスキー場である。基点の1441mからは、フニヴィアが一気にLes Suches=2200mまで運んでくれる。そこから高速クアッドでChaz Dura=2579mに上がり、滑り降りてもう一本チェアリフトに乗るとBelvedere=2641mへ到達する。ここから標高差1200m、滑走可能距離80km。滑ってる人はまばら、新雪も楽しめるオフピステがそこら中に待っている。他では味わえない、なかなかの滑りごたえといっていい。

 以前書いたように、長野でなくアオスタで冬季五輪が開催されていたら、アルペン種目はクールマイユールラトゥイールが会場として予定されていたことからも、その規模が推測できるだろう。

 天気さえ良ければ、滑りながらモンテビアンコはもちろんチェルヴィーノやモンテローザも、360度のパノラマで眺望でき、広がる大自然が、日常の煩瑣煩悩しがらみいっさいがっさい、パッキリポーンと忘れさせてくれる。イタリアスキーに行くと、どんな人もお互いに肩を抱き合って「ここまで来たかいがあった」
「ヨカッタぁ」
「生きていてよかった」
「エガッタァ」
涙を流しながら口々に言いあうのは、この悟りと解脱のためなのである。

 ラトゥイールもアルプスの稜線がフランスとの国境を分けているので、反対側へ滑り降りればLa Rosiere=ラ・ロジエーへ国境越えスキーが可能である。ラ・ロジエーはフランス側のトロワヴァレー、ヴァルディゼールへ登っていく途中にあるスキー場である。ただし、国境越えは天候に留意し時間的な余裕を見て朝一番でスタートし、ラ・ロジエーで昼食をすませたら、早めにイタリア側へ帰ってくることが必要である。

 森林限界の上のあけっぴろげでオープンなスキー場なので、天気が悪ければ、逆に身の隠しどころもない地獄と化す。ヘタすりゃ八甲田山死の彷徨生還不能、ラトゥイールの土となってしまうのである。

 というわけで、晴天率の高さを誇ってきたが、自然気象には勝てない。今回ラトゥイールは滑走困難と判断して、二日ともクールマイユールへ滑りに行ったのである。まあ、楽しみをあとに残してきたと思えばいいのであるが、実に残念でありました。


 海外へスキーに行く時、板やブーツを持っていくかレンタルするかは悩むところであるが、できれば自分のものを持っていった方がいい。知らないところでのレンタルは手間取るし、ピッタリくればいいが、そうでないと不満が残る。貴重な時間を無駄にしないためにも、持っていくように勧めている。

 最近、航空会社のなかには、スキーヤーの板やブーツまで計量して超過料金を取るところがあると聞く。熾烈な競争で、安くなる一方の航空運賃は乗客としては嬉しいが、なんとか収益を確保したい航空会社が、何かと荷物の多いスキーヤーから超過料金を取りたいというのも分からなくはない。

 日本からイタリアスキーに行く場合、アリタリアでは、板とブーツに10kg分のヴァウチャーを渡して課金しない。こちらが引退するまでは取りあえずそうだろうから、少なくともブーツは持って行くようにお勧めする。

 ところで、行ったり来たりしていると布製のスキーケースは傷みが激しい。これでは板も相当のダメージを受けてるだろうと思っていたら、本誌の情報ページで「大切な板をしっかりガードしてくれるスキーケースが日本に上陸」というのを見つけた。

 ゴルフトラベルハードケースの米国SBK社が発売。海外へも安心して愛用のスキーを持っていけるとある。長さは最長時222CM最短時172CM伸縮自在のようである。こりゃいいこんなケースがあれば重宝と、その場で注文した。

 数日後、宅急便が届き、梱包を開いて
「おー。これだこれだ。いいねぇ、この感触。これで、スキーも安心して送れるぞ」となるはずだったが、スキーを入れてみると先端がケースからはみ出てしまう。ん?ナンカへんだぞ。販売元へ電話すると、注文の時の女性が出てきて
「あらぁ、ゴルフケース送っちゃったのかしらぁ!

すみませんねぇ。もう一度送り直しますから」
と笑いながら言うではないか、こちらは焦って
「もう直ぐイタリアスキーに行くんで、日がないから急いで下さいヨ。ホントに」と、頼んだのだが、
「はいはーい。もーしワケありませんでしたあ」

 元気ヨイおばばの返事とは裏腹に、結局スキー

ハードケースは出発までには届かなかったのであった。




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