フェラーリ博物館に入ると直ぐ展示されているのは、このマラネッロにあるフェッラーリのファクトリーで、1947年に最初に生産されたフェラーリ125 Sである。
ジョアッキーノ・コロンボが競技用のクルマとして設計した125Sは、12気筒エンジンを積み、跳ね馬のロゴをを付けた最初のフェラーリとなった。
排気量1500CCと小粒ながら6800回転で118馬力をたたき出すこのエンジンは、当時としては人々を驚かせる画期的な性能であった。
今は何馬力という言い方はせず、87KWと表示するそうだが、118馬力とした方が当時の感じが伝わってくるような気がする。
ピアチェンツァのサーキットで初戦デビュー。フランコ・コルテーゼが乗って出走したが成績は振るわなかった。しかしコルテーゼは、2週間後ローマ・グランプリで見事雪辱を果たし初勝利。続くヴィジェヴァーノ、ヴァレーゼ、そしてフォルリのサーキットと三戦連続の勝利を収め125Sの名を世に知らしめた。
1947年に試作車として3台が生産された125Sは既にこの世に現存しない。展示されているのはレプリカ(復元モデル)である。創業40周年の際、資料室に保管されていたオリジナルの設計図を元に正確に復元されたものである。今でも様々なイベントや記念式典には現役で活躍しているという。