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「ドロミテスーパースキー9番
 サン・マルテイーノ・ディ・カストロツッア」の巻、 その壱
イタリア、ドロミテ、サン・マルテイーノ。ドロミテ山塊を望む
Italia Dolomiti,San Martino diハCastrozza : Marzo 2005

イタリア、ドロミテスーパースキー9番、サン・マルテイーノ
Italia Dolomiti,San Martino diハCastrozza : Marzo 2005

イタリア、ドロミテ、サン・マルテイーノ・ディ・カストロツッア

 豊饒の地ドロミテの南端に人知れず咲く大輪の花がある。その名はサン・マルテイーノ・ディ・カストロツッア。日本には名すら聞こえぬ地なれど、そこにはドロミテの大岩峰群に抱かれた極楽浄土があるという。

 ドロミテに数ある自然公園のひとつ、Parco Naturale Paneveggio-Pale di San Martino=パネヴェッジオ=パレ・デイ・サン・マルテイーノ自然公園が、トレンティーノ・アルトアディジェ州トレント県とヴェネト州ベッルーノ県の境界に広がっている。

 時代は11世紀に遡るが、この地へ最初に移住してきたのは修道士たちで、修道院建設のためであったと伝えられる。以来、カモシカや鷲など野生動物の棲息地であるこの一帯を、荒らさぬ配慮がなされてきたという。

 ヴィチェンツァの北プリミエロ(710m)から、北上してパッソ・ローレ(1970m)を目指すと、途中開けた盆地に行き当たる。サン・マルテイーノ・ディ・カストロツッア(1467m)である。近隣に銀や銅、錫等の豊富な鉱物資源に恵まれ、鉱山目当てに多くの人が往来し、宿泊中継地として、また、富裕層の風格ある別荘地として栄えてきたわけである。

 スキーリゾートとしての歴史も古く、ドロミテスーパースキー12エリアの中では、コルティナやマドンナ・ディ・カンピリオと轡を並べてきた。自然保護区で自然との共生を目指した山岳リゾートとして名をあげ、ヨーロッパ中から避暑客やスキー客を集めている。

 パレ・ディ・サン・マルテイーノのPale=パレはイタリア語のPala=断崖の複数、つまり断崖絶壁の連なりを意味している。街の東側には文字通りパレ・ディ・サン・マルテイーノ山群が立ちはだかる絶壁となり、街を守る天然の城塞となっている。

 山群の名称となっているパラ・ディ・サン・マルテイーノ(2982m)を始め、Vezzana=ヴェッザーナ(3192m)、Cimon della Pala=チモン・デッラ・パラ(3184m)、Breloni=ブレローニ(3184m)等々、3000m級20座以上が連山をなしまことに壮観である。

 パレ・ディ・サン・マルテイーノのスケールと雄大な景観は、他では得られぬ独特の雰囲気を醸し出し必見である。普通はドロミテの山並が家並みに隠れてしまい、中心から少し外れないと見えないものだが、買い物しながらでも眺められるパノラマは、ドロミテ屈指である。



イタリア、ドロミテ、パレ・ディ・サン・マルテイーノ

イタリア、ドロミテ、サン・マルテイーノ、チェズスキー場

   サン・マルテイーノ・ディ・カストロツッアへのゲートウェイはミラノかヴェネツィアが便利である。ミラノ・マルペンサ空港から北東へ350km。ヴェネツィア・マルコポーロ空港からは北西150kmに位置している。

 マルペンサ空港からA4でブレーシャ→ヴェローナ→ヴィチェンツァと行き、A31でドゥエヴィッレまではアウトストラーダに乗っていく。

 ドゥエヴィッレで高速道を降りて、チズモン・デル・グラッパまでを国道SS47。更にフェルトレ/ベッルーノ方向のアルテンArtenまでSS50bis。次にアルテンからはSS50で、プリミエロ→サン・マルテイーノを目指せばよい。

 マルペンサ空港からヴィチェンツァのドゥエヴィッレまで約250km、ドゥエヴィッレの出口から約100kmの距離である。全体で350km、5時間ほどの道のりとなる。



イタリア、ドロミテ、サン・マルテイーノ、ロゼッタ(2743m)
Italia Dolomiti,San Martino di Castrozzaハ


スキー場としてのサン・マルテイーノ・ディ・カストロツッアのデータを見ると、総標高差8,700!)。総滑走距離60km。内55kmに人工降雪機が敷設され上級コース29%、中級コース55%、初級コースが19%という数字が読みとれる。

 索道総延長が34.6km。フニヴィア一基、テレキャビン二基、チェアリフト14基、TバーJバー6基から構成され、輸送能力は一時間あたり29,000人。宿泊ベッド数二万人となっている。

 サン・マルテイーノ・ディ・カストロツッアは大きく三つのエリアに分かれている。街からダイレクトにアクセスできるスキー場は、Colverde=コルヴェルデとPunta Tognola=トニョーラと、Punta Ces=チェズである。

 街の東側のコルヴェルデは、パレ・ディ・サン・マルテイーノの絶壁へ登る斜面に設えられ、街をはさんで他のエリアと東西に分かれているが、スキーバスが頻繁に連絡しているので不便は感じさせない。ドロミテスーパースキーパスを持っていれば誰でもこのバスを利用できる。

 コルヴェルデ(2000m)へテレキャビンで登ると、標高差451!)、滑走距離3272!)の広々した中級斜面があり、快適な滑りが約束されている。イタリアには珍しく、全長2kmに照明設備があってナイターも可能である。初日の足慣らしには絶好のピステだろう。

 コルヴェルデからはパレ・ディ・サン・マルテイーノの尖峰ロゼッタ(2743m)までゴンドラが運行されている。04年に掛け替えられたばかりのフニヴィアで山頂に上がると、北側に開けるマルモラーダやトファーナ、クリスタッロを始めとしたドロミテの眺望を我がものにできる。頂上の山小屋(その名もロゼッタ)で暫しパノラマと軽食を楽しむとしよう。




イタリア、ドロミテ、サン・マルテイーノ・ディ・カストロツッア

 トニョーラとチェズは街の西側に位置し、それぞれがトニョーラ(2383m)とチェズ(2383m)の山麓に展開するスキー場となっている。しかもこのふたつは、行き来ができるようにテレキャビン、リフトがうまく連係している。

 滑走距離はチェズが18,650mでトニョーラが18,591m。各エリアで二回づつ全てのコースを滑れば37〜8kmmにもなろうというのだから、さすがイタリアなのである。

 チェズの上級コースコルブリコン(Colbricon)は、標高差616m、滑走距離は3,693m。もうひとつの上級コース、ディレッティッシマ(Direttissima)は標高差627m、滑走距離2,622mなので、このふたつを4〜5回滑れば一日滑走30km以上の目標は達成できることになる。

 一方のトニョーラであるが、最も滑りごたえがあるのは、トニョーラ・ウーノ(Tognola-1)と名付けられた上級コースだろう。標高差742m、滑走距離3,933mのバーンをノンストップで飛んで行けば、この世の憂さやシガラミはすっかり忘れてしまうに違いない。

スキージャーナル 2005年8月号。了。






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