トップページへ
COLUMN
イタリアスキー探索隊
イタリア探索マップ
ドロミテ探索隊
アオスタ探索隊
シチリア探索隊
トスカーナ探索隊
南イタリア探索隊
イタリアワイン探索隊
イタリアに行くならご用心!
コラムバックナンバー
日本国探索隊
探索隊写真館
探索隊お勧めレストラン
探索隊に参加する

「ドロミテ、サッソルンゴ、パッソ・ガルデナ」の巻
サッソルンゴからアルペ・ディ・シウジへ
Verso Alpe di Siusi da Sassolungo,Dolomiti Italia : Settembre 2004

トーニ・デメッツ小屋(2640m)
Rifugio Toni Demetz, Sassolungo,Dolomiti : Settembre 2004

ヴァルガルデナマラソンのゴール
Val Gardena Marathon,Dolomiti Italiattembre 2004

 サッソルンゴへの立ち乗りテレキャビンに乗ってみると、下から眺めていたときは気付かなかったが、つづら折りのルートを人が途切れなく山頂を目指していた。

 テレキャビンで上がる人もその数倍いて、その上、ヴァルガルデナ・マラソンの当日である。関係者や報道陣、応援の大勢の人で賑わっているのだった。

 テレキャビンの終点はサッソルンゴの頂上というわけではなく、トーニ・デメッツという山小屋がある標高2640mの地点なのだ。トレッカーたちは、しばらく景色を眺め、アルペ・ディ・シウジが開ける西側の沢へと下りていく。

 サッソルンゴ山群の真ん中のトンガリ山を見上げると、てっぺんに向かう急角度の岩壁にへばりついたクライマーたちが蟻のようにみえた。マラソンの方はランナーがゴールする度に歓声と拍手が湧き起こる。

 サッソルンゴでは、それぞれが、てんでに思い思いの活動に邁進しているのであるな、フムフム。時間があれば、それぞれに参加してみたいところなのだがな。なにしろここは午前中だけという予定なのである。

 一行は、次々にゴールするランナー達に拍手し、合間にちょっと遠目のマルモラーダを眺め、セッラ山群を見はるかし、トレッカーが下りていく、アルペ・ディ・シウジ方面に開けた空間を覗き見て、再び立ち乗りテレキャビンの人となったのであった。

 かくして、午前中にパッソ・セッラの絶景ポイントに立ち、続いてサッソルンゴへ登ったので、午後からは、北へ走りセッラ山群(3,152m)の西側の峠、パッソ・ガルデナ(2121m)を登り、食事のあと、セルヴァ・ディ・ガルデナへ戻り、チャンピノイへ登るのである。見所が多いと、忙しいのである。

ドロミテ、ソルンゴからアルペ・ディ・シウジへ
Verso Alpe di Siusi da Sassolungo,Dolomiti Italia : Settembre 2004

サッソルンゴの岩壁にはクライマーがへばりつき 

下っていくトレッカーの先にアルペ・ディ・シウジが開けている

 初めてサッソルンゴを深く意識したのは1996年、探索隊結成の年である。コルティナから、パッソ・ファルツァーレゴを越え、アラッバから時計回りのセッラ・ロンダに初挑戦したときのことである。

 以来幾度となくサッソルンゴの姿に接しているが、いつ見てもドロミテを実感させられる。誰しもセッラ・ロンダを経験すると、刻々と変化するセッラの山容とマルモラーダやサッソルンゴは忘れがたいものとなるはずである。

 このセッラ・ロンダを「ドロミテの観覧車」と呼んだのは、若き日の加藤雅明だが、言い得て妙。これに代わる表現をいまだ知らない。ここ数年設備の更新がなされ、TバーJバーは一掃され一層便利になっている。

 サッソルンゴはセッラ・ロンダの時計回りならば、アラッバからポルドイ峠を越え、ベルヴェデーレに立つとトンガリ山が三連で並ぶ姿が現れる。写真などでよく目にするのはこちらの方である。

 反時計回りなら、コルヴァーラからガルデナ峠へ向かうと見え始めるが、これが同じ山かと思うほど景観が異なる。パッソ・ガルデナからのサッソルンゴは、三山が屹立した姿ではなく単独峰なのである。

 ガルデナ峠は、東にセッラ山群、西にチール山群の谷間に続く峠なのだが、ここからは台形のサッソルンゴ主峰だけが表れ、それ以外は背後に隠れている。しかし、正面に鎮座するサッソルンゴ北壁は、1000mを越える垂直の壁となって立ちはだかり圧巻である。

 サッソルンゴと総称されるが、実をいうとサッソ・ピアット(2,956m)、サッソ・レヴァンテ(3,114m)、デンテ・ディ・メツディ(3,081m)等、幾つもの頂をもつグルッポ・ディ・サッソルンゴという山群なのである。その中で一番高いのがサッソルンゴ(3,181m)というわけなのだ。

 セルヴァ・ディ・ガルデナ(1,563m)へ滑り、パッソ・セッラ(2240m)へ回り込む間は、いつでも視界にあるセッラ山群。ヴァルガルデナを越える間視界から消えることがない、見上げる偉容のサッソルンゴは、スキーヤーにとっては馴染み深い山というわけなのである。

 冬の間は雪が覆い白一色の世界に砂糖をまぶしたパンドーロ(イタリアでクリスマスに食べるケーキ)のように見える。パッソ・ガルデナに到着して、サッソルンゴの姿を目にすると、いつも「あ、パンドーロ」と思ってしまう。

 ところが、夏は峠の道をクルマだけではなく、自転車やバイクに乗った人々が行き交う緑の谷間になっていて、そこには教会も見えている。まったく、イタリアではどこへ行っても教会と十字架なのである。

 夏見るとサッソルンゴはパンドーロではなくて、星の王子さまに出てくる、ゾウをこなしているウワバミの絵、「うわばみにのみこまれたゾウ」のようでもあるのだ。

 セッラ山頂のボーエ(3152m)への登山口もあるので、トレッカーたちがルートを辿っている。色々な人にとって、ドロミテではパッソ・ガルデナが欠かせないポイントとなっている。

サッソルンゴからみる氷河マルモラーダ
Marmolada, vista dal Sassolungo,Dolomiti Italia

サッソルンゴからみる氷河マルモラーダ
Marmolada, vista dal Sassolungo,Dolomiti Italia

パッソ・セッラ小屋から見るサッソルンゴ 
Sassolungo, vista dal Rifugio Passo Sella Dolomiti Italia

 ドロミテで何はさておき見るべきは、サッソルンゴ、セッラ山群、ドロミテ最高峰マルモラーダと言ったが、今はまだサッソルンゴの周辺を東西南北から見て回っているところである。

 この先、ファッサ渓谷のカナツェイからベルヴェデーレのセッラ山群とサッソルンゴを観察し、パッソ・ポルドイを攻め、サス・ポルドイからセッラ山群にも登ってみたい。

 ドロミテ心臓部、アラッバでは、マルモラーダ北面を見渡すポルタ・ヴェスコヴォへ。更に、パッソ・フェダイアからドロミテ山塊を眺望するマルモラーダ氷河にも馳せ参じたい。

 次は、ドロミテ街道を北のコルティナへ向かい、パッソ・ファルツァーレゴ(2,150m)でラガッツオーイ(2,750m)へ。峠を下りながら、チンクェ・トッリ(2,361m)にも立ち寄り、ポコルからドロミテの夕景を眺めるのだ。

 なにしろ、冬滑ったところは全て見てしまおうというのだから、なかなかである。何がなかなかなのかと言われても、そうしないことには、ドロミテ完全制覇などと言えないというのだから、まだまだ道のりは長いのである。


マルモラーダ(3,342m)氷河北壁

マルモラーダからみたサッソルンゴとセッラ山群

マルモラーダからみたサッソルンゴとセッラ山群

フェダイア湖からみたマルモラーダ基部


PAGE TOPに戻る

ドロミテハイキングはイタリア旅行社で

バール掲示板
リンク
サイトマップ
プロフィール
トップページへ