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「夏のドロミテ、ヴァルガルデナ、オルティゼイ」の巻、その弐
オルティゼイ、ドロミテ、ヴァルガルデナ、
Ortisei ,Val Gardena, Alto Adige, Italia : Settembre 2004

セッラ山群が中央に、サッソルンゴが右に見える
Ortisei ,Seceda, Val Gardena, Alto Adige, Italia : Settembre 2004

 オルティゼイからの未知の扉を開き、足を踏み入れてみると、見慣れた雪のドロミテとはまったく違った陽光眩しい世界が広がっていた。

 ドロミテに限らず、雪があるとないでは別世界。温暖化のせいで、近年滅多なことで東京に大雪は降らないが、雪で覆われた東京はそれこそ記憶に刻まれたアナザーワールド。

 白く覆い尽くされた都会の風景は、人の造りだしたものが自然に浄化される瞬間なのだが、数日もすれば元の汚れた風景が戻ってしまう幻想ひと時の世界でもある。

 ドロミテはというと、雪のない方がはるかに華やかである。ものみな表れ山襞の陰翳が陽光に躍動し、緑が映え斜面に花は咲き乱れる。明暗により輝き変化する有様は、モノトーンの冬とは違い、一段と旺盛な色彩で我々を圧倒するかのようである。

 ドロミテの有様だけでなく、そこを訪ねる人々の身体的な動きもまさに一変してしまう。セッラ山群の回りをぐるりと滑るセッラ・ロンダも、雪があってスキーを履いていれば、難ないが、スキーがなければ話はまったく違ってしまうわけなのだ。

 先ずは、テレキャビンやリフトがないので、周囲35kmのセッラ山群(3152m)を取り囲む、パッソ・カンポロンゴ(1875m)、パッソ・ガルデナ(2121m)、パッソ・セッラ(2240m)、パッソ・ポルドイ(2239m)の四大峠は歩いて越えなければならない。高低差の激しいこれらの峠を徒歩で回るのは一日がかりでも無理に違いない。

 元より、わずかの日数で自力でドロミテを逍遙する時間はない。その代わりゴンドラ、リフトの力を借りて、登れるところには全て見参する。と同時に移動の手段としてのスキーを再認識する探索となる筈であった。

 雪なしドロミテ探索隊は、日本から行って帰って十日間。休暇の取れる最大日数で設定。イタリアに八泊しかできないということで、ドロミテに六日間、ボルツァーノに二泊をあてた。アルトアディジェ州ボルツァーノ県、県庁所在地に敬意を表したわけである。

 この十年で滑ったドロミテ名山をできるだけ訪れるため、基点選びには慎重を期した。前半はオルティゼイに三泊、後半の三泊はアラッバを基点とした。ヴァルガルデナがドロミテ北西部の要衝となり、その中心がオルティゼイなのだから、それは妥当な選択であるだろう。

 後半の三泊をどこにするかは、正直言って少々迷った。コルティナに泊まろうかとも考えたが、北東に寄り過ぎていて、セッラ山群(3,152m)もマルモラーダ(3,342m)も大きな峠を二つ越えねばならない。

 アラッバからだと、峠一本パッソ・ファルツァーレゴ(2,150m)を越えればコルティナへ辿り着ける。セッラ山群(3,152m)への展望台があるパッソ・ポルドイにも10km足らず。ドロミテ最高峰マルモラーダ(3,342m)の、立ち乗りリフト、パッソ・フェダイアにも18kmと一時間足らずで行き着ける。




ドロミテ、オルティゼイ、セチェーダからの眺め
Seceda, Ortisei ,Val Gardena, Alto Adige, Italia

ドロミテ、オルティゼイ、セチェーダ
Ortisei ,Seceda, Val Gardena, : Settembre 2004

 さて、ヴァルガルデナの最大の見所は、サッソルンゴ(3,181m)とセッラ山群(3152m)が織りなす壮大な景観であるに違いない。先ずは、オルティゼイのセチェーダとアルペ・ディ・シウジへ登ることにしよう。

 セチェーダからのパノラマは文字通り三百六十度。サッソルンゴの西にはカティナッチョやグルッポ・デル・ラテマール(2,846m)が連なっている。北には雪を頂いて遠くイタリアアルプスが遠望できる。

 山頂付近を歩き回るだけでも十分トレッキング気分は味わえる。太陽の動きとともに変化する光線の魔術に酔いしれ、暖かい陽差しの中を移動するトレッカーには、ゆったりとした時間が流れていくようである。

 ガルデニッシマのスタート点から、コル・ライザーのゴール方向を眺めれば、サンタ・クリスティーナ(1,446m)の村が煙るように霞んで見える。

 午前中いっぱい歩き回ったら、谷の反対側へ移動してみよう。アルペ・ディ・シウジへはセチェーダを降りて、動く舗道で東の端まで移動、街へ下りるエスカレーターに乗ればいい。

 オルティゼイの街を流れるガルデナ川を渡り右折すると、アルペ・ディ・シウジへのテレキャビン乗り場がある。地下は駐車場となっていて、日帰りスキーで来るクルマが停められるようになっている。

 ヴァルガルデナは設備の更新に熱心で、近代化された設備は年々充実して、スキーヤーにとっても、谷の両側の大斜面を楽しめるのが快適である。この次はオルティゼイに滞在して、ドロミテを滑ってみようという気にさせるところは、さすがヴァルガルデナなのである。



ドロミテ、オルティゼイ、セチェーダ


 サッソルンゴの麓から足元まで続く広大な裾野、アルペ・ディ・シウジ。サッソルンゴとセッラ山群を配した空間の広がりは想像を越え、思わず胸を打つ景観なのであった。

 季節こそ違え、冬は年中あちらもこちらも滑りまくっているのだから、勝手知ったるつもりなのだが、雪なしだとこれほどイメージが違うものとは想像もしなかったのである。

 食事でもしながら景色を愛でようかと、テラスに座ったら、近寄ってきたシニョリーナが「今日は午後から結婚式の披露宴があるので、料理人はその準備で手一杯。わるいんだけど、手の込んだものはできないの」と言うではありませんか。

 ま、おめでたい席で先約があるのではしかたがない。こちらは、ヴァイツェン・ビールとプロシュート、スペック、チーズさえあれば満足。あつ熱のパニーニにプロシュートとフォルマッジオを頬ばって、乾杯していたのだが。

 しばらくするとホントに、結婚披露宴にふさわしく着飾った人たちが、続々とアルペ・ディ・シウジに現れ始めたのだ。いや、それにしても、こんな贅沢な場所を結婚披露の舞台にできるって、さすがドロミテ。いいなあ、ドロミテなのであった。



セチェーダ、オルティゼイ、ヴァルガルデナ
Seceda, Ortisei,Val Gardena ,Alto Adige Italia

アルペ・ディ・シウジからのセッラ山群とサッソルンゴ
Alpe di Siusi, Ortisei,Val Gardena ,Alto Adige Italia

セチェーダ、オルティゼイ、ヴァルガルデナ
Seceda, Ortisei,Val Gardena ,Alto Adige Italia


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