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「ドロミテスーパースキー、ヴィーゴからチャンパック、ベルヴェデーレ、コルロデッラへ」の巻
イタリア、ドロミテ、ヴァル・ディ・ファッサ、チャンパックのスキー場
Ciampac ,Val di Fassa, Dolomiti Super Ski, Italia : Gennaio 2004

イタリア、ドロミテ、チャンパックからサッソルンゴ、カティナッチォを望む
Il panorama dalla Ciampac, Penia, Val di Fassa : Jan 2004

 チャンパックへ登ると青空の真ん中を飛行機雲が切り裂いていた。太陽が昇りきらない早朝のスキー場は人影もまばら、動き出したばかりのリフトには乗る人もいない。深呼吸して氷点下10度の空気を吸いこんでみると、気管をちりちりと鳴らす音がした。

 ラテマール、ルージアと踏破して翌三日目の朝は快晴だった。晴れたら是非とも行きたいのは、カナツェイから上ったベルヴェデーレのエリアである。即座にヴィーゴ(1390m)からペニア(1555m)までのクルマをチャーターした。

 距離にして15?、所要時間は20分足らず。ドロミテスーパースキーパスで乗れるシャトルバスもあるが、ヴィーゴから一旦、カンピテッロまで行って乗り換えることになる。送迎に20人乗りのミニバスをチャーターしても、ひとり9ユーロ(1200円)足らず。帰りもカンピテッロまで迎えに来てくれるし、貴重な時間を考えれば安いものである。

 ファッサ渓谷のゆるやかな勾配を登る途中に、カンピテッロ(1440m)とカナツェイ(標高1460m)の村がある。どちらもヴァル・ディ・ファッサの拠点で、名にしおうドロミテ絶景ポイントへの登り口となっている。カンピテッロからコルロデッラ、カナツェイからはベルヴェデーレへ上ることができるのだ。

 ペニアからもっと先へいけば、マルモラーダが望めるフェダイア峠にさしかかる。更に進めばソット・グーダ、マルガチャペラに至って、そこからはマルモラーダ山頂へのフニヴィアが出ているのだ。

 チャンパックには03年1月、アラッバから遠征してきたことがある。パッソ・ポルドイを越えてカナツェイからバスに乗ってやって来たのだ。今朝はヴィーゴからなので、ペニアからチャンパックまでのテレキャビンで上っても、まだ九時ちょっと過ぎたばかりだ。

 ここはドロミテでは珍しくどこにも連係していないスキー場なので、テレキャビンで上ったレストランをミーティングポイントにしておけば迷子になることはない。

 はぐれる心配がないので久しぶりにゆったり、と、頂上からドロミテ山塊の眺望を愛で、ファッサ渓谷を隔てて見えるセッラ山群目がけて、思う存分滑ることができたのだった。


ドロミテ、ヴァル・ディ・ファッサ、チャンパック
Ciampac ,Val di Fassa,Dolomiti, Italia : Gennaio 2004

ドロミテ、ヴァル・ディ・ファッサ、チャンパック
Ciampac ,Val di Fassa,Dolomiti, Italia : Gennaio 2004

 チャンパックを滑り終え、林間コースを滑り降りると、ペニアからシャトルバスでカナツェイまで移動する。ドロミテスーパースキーパスを持っていればもちろん無料である。カナツェイからフニヴィアでベルヴェデーレに上った時点でも太陽はまだ真上に来ていない。

 ベルヴェデーレのエリアはセッラ・ロンダのコースでもハイライトである。右回りでも左回りでも必ずここを滑ることになるが、何度来ても、ここから眺め渡すセッラ山群とサッソルンゴの雄姿は格別と思うのだ。全景は殆ど空からの鳥瞰図と言っていいほどのパノラミック・ビュー。さすがベルヴェデーレ(美しい眺め)と名乗るだけのことはあると納得がいく。

 ドロミテ最高峰マルモラーダ山頂(3,342m)から晴れた日に見おろしたセッラ山群とサッソルンゴの神々しさは、恐らく非日常的なスケールの大自然、高度、距離に視覚や感性が衝撃を受けて生まれる神性であるように思う。

 一方、ベルヴェデーレからのセッラ山群とサッソルンゴの俯瞰は、自分の肉体をその場に置いた直接的身体的な感動なのだ。だから、一旦滑走し始めると、天上から眺めた楽園に身を投げて躍動する気分を味わえるわけである。

 一行は昼食を遅めにすることにして、ベルヴェデーレの斜面を隅から隅まで滑るのだった。この峠を越えればもうアラッバだぜ。という所まで滑りきって、ようやくお許しも出たので、ヴァルガルデナへと滑り降りる。

 サッソルンゴの麓まで滑りコルロデッラの眺望レストランへ上がらないと昼飯にありつけないのだ。なにしろ、コルロデッラにはセッラ山群とサッソルンゴに手の届くような眺望レストランがあるのだ。

 みんなよく腹減らないなぁ、とクークーなるお腹を押さえながら、コルロデッラに辿り着いた隊長は、今日はもう充分、あとは、もう滑らんけん、滑りたければ、みなさん勝手に行ってくるよーにと、ヴァイツェンビールの人となってしまったのであった。


カナツェイ、ベルヴェデーレからセッラ山群を望む
Vista del Gruppo del Sella,Belvedere,Canazei,Italia : Gennaio 2004

ベルヴェデーレからサッソルンゴとセッラ山群
Sasso Lungo e Gruppo del Sella,Belvedere,Canazei : Gennaio 2004

 コルロデッラからゴンドラでカンピテッロへ下りると、迎えの車が待っていた。やれやれ、今日も一日無事だったわい。と、ぐったりしながら、ヴィーゴへ帰り着くと、見たことあるような男がフロントで、ホテルオーナーのウンベルトとなにやら話しているところだった。

 あれ、誰だっけな、ン?トエニ?トエニだ!札幌オリンピックで優勝。70〜75年にワールドカップや世界選手権で無敵だったあのグスタヴォ・トエニなのですよ。トエニやトンバがウンベルトを訪ねてくるというのはホントの話だったのだ。

 トエニが挨拶するので、こんにちはと挨拶を返す。三冠王が挨拶するくらい探索隊も有名になったということではない。袖振りあうも多生の縁。居合わせた者同士が、何気なく交わすイタリア式挨拶交信術なのだ。
「やあ、スキーを楽しんできたようだね」
「いや、もう充分というくらい滑ってます」
「いつまでドロミテに滞在するのかな」
「まだ、来て三日目、あと、二日滑るんだ」
「ジャポネーゼは滑るからね」
「え、いや、ホントはあの犬みたいにのんびりしていたいんだけど、そうもいかなくって」
 横からウンベルトがまぜっ返す。
「アライに行ってみたけど、ジャポネーゼは、朝早くから暗くなるまで、雪が降っても滑るんだから、のんびりは無理だろ〜」

 そうは言っても、ここまでくれば負け越しはない。肩の荷は半分はおろしたようなものなのだ。初日二日は青空ばかりというわけではなかったが、スキーは十分快適だった。今日は一日快晴のベルヴェデーレ。表情に余裕が戻ってきたとしても不思議ではないのであった。



ベルヴェデーレからのサッソルンゴとセッラ山群
Sasso Lungo e Gruppo del Sella






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