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「ドロミテスーパースキー2番・プラン・デ・コロネス」の巻
プラン・デ・コロネス Plan de Colones=Kronplatz
Photo by : Yoichi Harada

 ヴェネツィアを州都とするヴェネト州は、長靴型のイタリアの付け根の部分にあり、コルティナはヴェネツィアから163km北側に位置している。アルト・アディジェ州は、更にその北にあって、連なるアルプスの嶺峰の向こう側はオーストリアとなっている。

 オーストリアとの国境沿いに東西に長いプステリーア渓谷があり、ALTA PUSTERIA=アルタ・プステリーアと呼ばれている。急峻な山々と狭隘な渓谷が多いドロミテには珍しく、開けた渓谷を東西にプステリーア街道が走っている。このプステリーア街道の西端がブレッサノーネ、東端がサンカンディドである。

 プステリーア街道を西に行き、ブレッサノーネからブレンネッロ峠を越えるか、東へ走りブルニコ〜ドッビアーコ〜サンカンディドと抜ければ、いずれもオーストリアへ至る。どちらにしても南ティロルと呼ばれる、このアルトアディジェ州がドロミテ山塊の北端を、そしてイタリアの最北端を形成しているのである。

 プステリーア街道のほぼ中間にブルニコの街がある。アルプスの渓谷と山並み、深い森と中世の城を周囲に配したブルニコは、人口約13000人と南ティロルではブレッサノーネに次ぐ大きな街である。プラン・デ・コロネスは、そのブルニコの南側にあるスキー場なのである。

 アルトアディジェ州が第一次大戦以前はオーストリア領だったこと、今でも小学校からイタリア語ドイツ語の両方を教わることは前にも述べた。去年行ったブレッサノーネやヴァッレ・イザルコ等と同じくこの一帯の人々の日常会話にはドイツ語が飛び交っている。
 「ここらの人たちってドイツ語も喋るんだよネ」

 とコルティナから同行したロベルトに言うと、
「チッ、チッ、チッ、その言い方はちょっと違うかもネ」
「え、どうしてさ?なにが違うの」
「それを言うなら、アルトアディジェの人たちは、イタリア語もォ、話せるって言わなきゃ」
「え?なに、そうなの?」
「そう、ドイツ語だけじゃなくて、イタリア語もォ、話せるって言わないと」

 と言うのは、ま、イタリアーノの好きな冗談なんだけど、そう言いたくなるほど、このあたりはドイツ語だらけ、初めて来た93年に貰ったスキー場マップにはクロンプラッツと大きく書かれ、プラン・デ・コロネスは下に小さく添えられていただけだった。

 だから、ついクロンプラッツと呼んでしまうのだが、今回手にしたマップにはイタリア語の、プラン・デ・コロネスが上に記されている。イタリアなんだから、プラン・デ・コロネスと呼ぶ方がふさわしいのかもしれない。

ブレッサノーネ

ちびっ子が滑る

左前方にブルニコの街が見える
Photo by : Yoichi Harada

 プラン・デ・コロネスは、ドロミテスーパースキー2番の冠から知れるように、コルティナに次いで歴史のあるスキー場だ。常に設備の更新をはかり、機動力を増強して、現在、一時間あたり57000人の輸送能力を誇っている。93年当時は、時間あたり45000人だったから、この9年間で12000人の増強が計られたことになる。

 といってもピンとこないから、一日換算に直してみよう。8時間稼働としてなんと456000人のスキーヤーを運び上げ、96000人もの輸送能力が向上したことになる。もっと古い、88年の資料によると、時間あたり11644人の輸送能力しかなかったとあるから、この間の五倍にもなる飛躍的な発展の程が理解できるだろう。

 来る度にテレキャビンや高速リフトが増えて便利になってるとは思ってたけど、人運ぶ量が五倍も増えてんじゃ、こりゃ、どんどん人が寄ってくるわけだよなあ。さすがイタリア。やるときは、やってくれます。

 プラン・デ・コロネスの特徴は、近代的な設備にあるだけではない。ここが面白いのはひとつの山が丸ごとスキー場となっていることかもしれない。山の下にある三つの村からテレキャビンが架設されていて、どこから乗っても山頂部(2275m)へ速やかに到達する。

 三つの村とは、プラン・デ・コロネス北側のBrunico=ブルニコ、東側のValdaora=ヴァルダオラ、南側のSt.Vigilio=サン・ヴィジーリオである。どこから上っても頂上は一緒で、そこから滑ってどちらへも降りられるようになっている。
 ここで、それぞれの標高差を見ておくと、Brunico=ブルニコの基点となるRiscone=リスコーネ(960m)、山頂部は2275mなので標高差は1344m。二番目の村、St.Vigilio=サン・ヴィジーリオ(1201m)の標高差は1074m。三つ目の村、Valdaora=ヴァルダオラの基点、Sorafurcia=ソーラフルチャ(1344m)が標高差931mである。総標高差はなんと、3419mにもなるのである。各々のコースを一回づつ滑るだけで、標高差3419mを滑降できるって、やるもんじゃありませんか。

 おまけに、プラン・デ・コロネスの総滑走距離は85kmmに及び、その内70kmに、人工降雪機が敷設されているという。初中上級コースの比率は4:5:1と快適な中級斜面の比率が高い。実際滑り出すとオープンコースが四方八方全方位に広がり、続く林間コースは斜度と変化に富んでいて滑り応え十分であった。
滑る隊長




プラン・デ・コロネスを上がると、広い山頂部が


どこへでも滑っていける。プラン・デ・コロネス

 2002年1月7日にトファーナとチンクェ・トッリのスキー場を滑り、翌日ファローリアとクリスタッロのスキー場を滑った探索隊は、三日目にドロミテスーパースキー2番=プラン・デ・コロネス=クロンプラッツへ遠征した。

 去年の3月、ブレッサノーネからクラウディオと来た時は、ブルニコからテレキャビンで上った。今度はコルティナから来たのでヴァルダオラから朝一番にスイスイと頂上へ向かう。

 途中に中間駅があるが、降りないでそのまま乗って山頂まで行こう。滑走中に仲間を見失っても、また、テレキャビンで上がってくれば、同じ頂上で会えるので心配ない。山頂にはいくつもレストハウスがあるので、はぐれた時の待ち合わせ場所にしておくといいだろう。

 どのコースも距離が長く、滑り出しからの開放感は他ではなかなか味わえないものがある。陽光を浴びてどこでも好きの方へ滑って行けて、ロングランが楽しめる。プラン・デ・コロネスでノンストップ滑走一本やれば、たいていのスキーヤーは満面の笑顔となり、二本やれば思わず膝も笑ってしまうにちがいない。

 コルティナから、一時間足らずで行ける滑走距離85km、総標高差3419m。満足度無限保証のプラン・デ・コロネス。ドロミテへ行ったら是非一日ここへ足を延ばして、思う存分にノンストップを決めて欲しいものである。
賑わうプラン・デ・コロネス

昼食の肉。皿からはみ出て


プラン・デ・コロネスの山頂部で

ヴェネツィア、リアルト橋 Ponte di Rialto : Venezia

ヴェネツィア、リアルト橋から


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