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「コルティナの象徴トファーナとチンクェ・トッリ」の巻
ヴェネツィア朝靄のサンマルコ広場
Piazza San Mraco, Venezia

 シチリアのエトナ山のスキー場には雪がたっぷりあるというのに、ドロミテ地方には気温が低すぎて雪が降らないという異変のイタリア。探索隊一行は二日目にヴェネツィアを見て回った後、夕食前のコルティナ入りを目指し出発した。いつもならマルペンサ空港から一直線でひた走り、真夜中にスキー場入りするのに、今回は昼間の移動で回りの景色も楽しめる。

 ヴェネツィア・メストレを走り出してから2時間半。渋滞もない快適な道を走って、5時15分には早くも夕闇迫るコルティナの街の外れに到着した。左にはチンクェ・トッリがシルエットになって茜に染まる空にくっきりと浮かび、右には残照がうっすら赤いクリスタッロやソラピスが聳えている。

 コルティナの外周を走る道=ヴィア・マルコーニにコルティナの駅広場がある。駅といっても、コルティナに鉄道は来ていないので長距離バスの駅である。クルマのない人がコルティナへ来るためには、ヴェネツィアからカラルツォまで鉄道で来て、そこからバスに乗らないと辿り着けない。

 コルティナを貫く目抜き通り=コルソイタリアの真ん中に、街の象徴サンティ・ジャコモ・フィリッポ教会が建っている。今回宿泊するホテルコルティナはその真横にあって、スキーバスに乗るにも買い物に行くにも便利なホテルである。ホテルへ到着してスキーをスキールームに、荷物を部屋に入れて隊員たちはホッと一息。
 隊長は明日に備えて駅広場にあるスキーパス事務所へ行くことにする。事前にスキーパスを準備していれば、明日は直ぐ滑り始めることができる。真夜中到着に較べるとこれも余裕のひとつなのかもしれない。

 街へ出ると、コルティナはさすが高級リゾート、毛皮着た女の人がぞろぞろ繰り出し、子供連れが目立ち、年輩のカップルも多い。聞くと、19世紀から続くホテルがいくつもあって、ヴァカンツァ(休暇)にやってくる常連客が多いというのだ。

 彼らは冬だからといって必ずしもスキーしに来るわけでもない。スキーはしないけど休暇を過ごすという人間も結構多いのだそうだ。街をそぞろ歩きのカップルなども、どーりで何するふうでもなく、ただプラプラしているだけだったりするわけだ。いつも何かしていないと気がすまないジャポネーゼからすると、信じられないかもしれないが、それがイタリ式ヴァカンツァの過ごし方なのである。

 探索隊もゆったりイタリア式に休暇を過ごします。と言いたいが、やっぱりもったいなくて、毎日きっちり滑ります。初日、トファーナとチンクェ・トッリのスキー場を滑り、二日目にファローリアとクリスタッロのスキー場を滑る。三日目にドロミテスーパースキー2番=クロンプラッツへ足を延ばし、4日目グランデ・グエッラに挑戦して、5日目は自由滑走の純粋日本型予定ビッシリ休暇となっておるのでございます。




ドロミテ、コルティナ、チンクェ・トッリ
Cinque Torri,Cortina

チンクェ・トッリ(=五つの等の意)から見たトファーナ。 
La vista del Tofana da Cinque Torri

 街の中心の教会の裏の広場が各スキー場へのバスの発着所となっていて、スキーパスを持っていれば無料で乗れる。街中の要所にある赤いリスマークの停留所で、巡回するバスを利用できるシステムはとても便利だ。

 トファーナへ上るには、いくつかの方法がある。ゴンドラで行くなら、1956年冬季オリンピック会場=Stadio Olimpico del Ghiacciao近くのフニヴィアに乗ればいい。標高1224mの街からCol Druscie'(1770m)〜Ra Valles(2470m)〜Tofana(3240m)へ乗り継ぎ二回で到達する。

 標高差は実に2016m、言うまでもなく眺望は絶景かな、絶景かなである。トファーナ山群を始めとした、チンクェ・トッリ、クリスタッロ、ソラピスなどドロミテのパノラマを眺めるだけでもコルティナへ来る価値がある筈だ。

 探索隊はホテルコルティナを9時に出て、最初に来ていたB3のバスに乗る。ラヴァレス(2470m)より上が閉鎖されていたので、ポメーデス〜ドゥカ・ダオスタのワールドカップ女子滑降、回転のコースから攻めることにしたのである。

 街から10分ほどでSocrepes=ソクレペスのスキー場に到着する。最初のリフトに乗り、先ず足慣らしに一本滑ることにした。なんせ今シーズンの初滑りだから、気ぃつけないとナ。本間綾美の板で怪我でもしたら申し訳ないしナ。そう考えて初めて滑り出すとき少しだけ緊張する。

 コルティナは80年ぶりの小雪だというのに、人工降雪機は完璧なピステを用意してくれていた。ピステだけに雪がある少し不思議な光景の中、上っては滑りを繰り返しながら、少しづつ調子を整え、ポメーデスの二つの岩の間にある急斜面に接近していく。

 前方に特徴ある岩が二つ見えてくると、6年前の記憶がよみがえってきた。全くお変わりないコルティナのお姿に、

「いや懐かしいですねぇ」
「二つ並んだあの岩!」
「あれ、天の岩戸と名付けたんですがね」
「は、そう言えばそうでしたね」
「二つの岩の間に、シメ縄張ってね」
「そうなると、モロ、天の岩戸!」
 思わず前回も一緒に来た楓山一登、関戸章仁と顔を見合わせて笑ってしまうのだった。

 天の岩戸の御利益だろうか、それから4時間ちかく、トファーナの全ての斜面をお茶もしないで滑ることができた。いつの間にか初日だ足慣らしだという考えが、脳裏からキレイに消えてしまったのであった。


コルティナの「天の岩戸」


コルティナ、チンクェ・トッリ
Cinque Torri,Cortina

 時計を見るともうすぐ1時だ。午後からはチンクェ・トッリのスキー場を滑るので、そろそろポコル目指して移動し始めないといけない。チンクェ・トッリはパッソ・ファルツァーレゴを登って行く途中にあるスキー場なので。ポコルからバスに乗るのが便利なのだ。

 Cinque Torri(5つの塔の意)の名は、巨人の歯のような形の岩がニョッキリ五つ並んでいるところからきている。街からもよく見えるし、グランデ・グエッラのコースの一部ともなっているので、ドロミテへ来れば何度も目にする筈である。

 そのチンクェ・トッリの直ぐ脇にある眺望レストランはなかなかお勧めである。山の上とは思えない手抜きしない料理。コルティナの象徴トファーナとチンクェ・トッリが眼前に迫るテラス。コルティナへ来たら一度はチンクェ・トッリでゆったりと食事してみてほしい。

 快晴無風、陽光に恵まれたテラスで、乾いた喉を潤すチロル風ヴァイゼンビア。ドロミテのパノラマを肴にして、こんなにおいしいビールとポルチーニ・フンギのタリアテッレが食べられる。これも生きているからこそなのだと、チンクェ・トッリを見上げながら思うのであった。


コルティナ、クリスタッロを目指してファローリアのピステを滑る探索隊員
Cortina d'Ampezzo

クリスタッロ、のヒュッテ、リフージオ・ソンフォルカ
Cristallo,Rifugio Son-Forca (2235m)

コルティナの街、全景
Cortina d'Ampezzo

クリスタッロから見たトファーナ
Vista della Tofana,Cortina d'Ampezzo

チンクェ・トッリから見たトファーナ
La vista del Tofana da Cinque Torri


コルティナ、チンクェ・トッリ
Cinque Torri,Cortina

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