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「ドロミテの万華鏡、グランデ・グエッラに初挑戦」の巻、その2
アルメンタローラから2馬力ロープウェーに引かれて
Giro Sciistico della Grende Guerra ,Armentarola ,Dolomiti:Mar2000

アルメンタローラから2馬力ロープウェーに引かれて
Giro Sciistico della Grende Guerra ,Armentarola ,Dolomiti:Mar2000


アルメンタローラから2馬力ロープウェーに引かれて
Giro Sciistico della Grende Guerra ,Armentarola ,Dolomiti:Mar2000


アルメンタローラから2馬力ロープウェーに引かれて
Giro Sciistico della Grende Guerra ,Armentarola ,Dolomiti:Mar2000


アルメンタローラからセッラ山群
Gruppo del Sella : vista da Armentarola , Dolomiti : Mar2000

アルメンタローラからセッラ山群
Gruppo del Sella : vista da Armentarola , Dolomiti : Mar2000

 ラガッツオーイからアルメンタローラにそろ そろ到着かという頃、左コーナーの先の開けた 視界に、手に手にロープを持った一群の人々が 飛び込んできた。

 シルヴァーノがわれわれの顔を見ると、ニッ コリ笑って手綱をさばく仕草をしてみせる。そ うなのだ、ここからこの二頭立ての馬ゾリに引 かれて1.5km程を登坂するということなのだ。

 探索隊も早速、ロープを手に持って並ぶこと にする。やがて、御者が手綱を引き馬ゾリがゆ っくりと走り出す。文字通りの二頭立て2馬力 がそのとき六十人以上はいたと思われるスキー ヤーの一団を引っ張って走っていくのだ。のど かだなあイタリア。いいなあイタリア。

 アルメンタローラまでの登り坂を馬に引かれ て上ってしまうと、そこからはまたリフトであ る。頂上まで行くと、見たことがあるような懐 かしい景色が広がっている。それもその筈、セ ッラ・ロンダでお馴染みセッラ山群が目の前に 登場してきたのであ
る。  

 アルメンタローラからの眺望も素晴らしい。 正面にはセッラ山群の全容が見渡せるし、マル モラーダ、チヴェッタのパノラマも豪勢で、ま さにドロミテの万華鏡と呼ぶにふさわしい。こ こからは、右へ行けばサンカッシアーノ、ラ・ ヴィッラのエリアへ連絡し、左へ行けばコルヴ ァーラ、アラッバエリアへ連係している。どち らもセッラ・ロンダのコースの一部となってい て、アラッバへと滑り込めるわけだ。

 シルヴァーノを先導に、探索隊はコルヴァーラ、アラッバ方向へ向かい、プラロンジアでようやく昼食を取ることになる。ここまでの滑走距離が20km、移動距離は約47km。全行程のちょうど半分をこなしたことになる。

 昼食後に残りの半分をキメてしまわなければ ならないが、ここまで無事に来られたのを祝い、 ワインで乾杯しながら、リゾットやら、パスタ の昼メシにありつくことにしたのであった。

昼のパスタだからって手抜きはない

シルヴァーノと記念写真


Pralongia目指して

 シルヴァーノに食事しながら聞いてみる。
「シルヴァーノ。こんなスンバらしい感動的な スキーサーカスがあるなんて、あたしゃ、ちー とも知らなかったすよ」
「そうでしょ。フムフム。知らなかったでしょ」
「日本じゃだーれも知らないよ」
「そうでしょ、そうでしょ、なんせ、イタリア ーノだって知らないんだから」
「それはまた、どーして?」
「スタートしたのが、三年前の1997年」
「エッ、去年アラッバに来たけど、こんなのあ るって誰も教えてくれなかったなぁ」
「去年は、コルティナアラッバチヴェッタ 共催三者の合意が得られなくて、動かなかった」
「なーるほど、そーだったのか」
「そう、スタートしたのは三年前だけど、実際 に機能したのは今年からなんだ」
「じゃ、うまく回り始めたのは今年から?」
「その通り。君たちは非常に幸運というわけさ」
やりました。またまた、探索隊がやりました。 イタリアーノも知らないグランデ・グエッラに ジャポネーゼとして初挑戦してしまったのです。  

 プラロンジアでたっぷりエネルギー補給して、 すっかり元気を取り戻した探索隊一行とトリオ ・イタリアーノは、快調に飛ばすシルヴァーノ を先頭に次々にアラッバへと滑り込んでいく。

 アラッバのメインピステ、ポルタ・ヴェスコ ーヴォの状態が悪いという情報を入手した探索 隊は、急遽テレキャビンの中間駅で降りてパド ンへ向かうことにした。パドンからパッソフェ ダイアへ降りて、マルモラーダ・マルガチャペ ラのロングコース8.5kmを滑れば、あとは14km のバス移動でアッレゲへ帰投できるからだ。
Serrai di Sottoguda入り口


 「ここからが、本日のメーン、エベントー」
コースの途中で、シルヴァーノが叫んでいる。
「このまま降りていけば、すぐ下でバスが待っ ている。右側の細い道を行けば、バスまでは結 構歩くが、そのかわり目の覚めるような絶景に 遭遇することができる。さあ、どっちを選ぶ」
「ウーン。フムフム」
「その上、こっちの困難な道を選んだ者には、 勇者としての証が与えられる」
「そ、それは、なんですか」
「それは、秘密である。今は言えない」

 Serrai di Sottoguda=セッライ・ディ・ソッ トグーダ。小・グランデキャニオンと呼ばれる、 大氷壁大氷柱が迫る隘路となった岩壁の間を滑 っていくと、ラガッツオーイからアルメンタロ ーラへ向かう途中で見た氷壁に、シルヴァーノ がさして動じなかった理由が分かった。冬の間 中殆ど日の当たらない狭隘な渓谷の、こんな氷 壁を見知っていれば、あの程度では驚かない筈 である。探索隊一行は感嘆の声を連続的に発し ながらこの渓谷を抜け、グランデ・グエッラの ゴール、マルガチャペラを目指したのである。

 新婚旅行にイタリアスキーを選び、いきなり 隊員となった小野田洋・あやのが言う。
「ホントに、イタリアスキーたんけん隊だぁ」
「たんさく隊」と言わずに「たんけん隊」と言 ってしまう初々しいハネムーンカップルは、
「こんな地図にも載ってないとこは、たんけん 隊じゃないと来れないねえ」
と手を取り合って 喜ぶのであった。

 朝の8時にカプリーレを出て総延長90kmを 走りぬき、マルモラーダからカプリーレへ帰 投したのは夕方6時40分だった。困難を極め体 力の限りを尽くした激闘に、隊員たちの顔には、 心地よい疲労とともに満足感が溢れているので あった。
氷壁・岩壁の間を滑る

洋とあやの。
「ハネムーンで来ました」


 セッラ・ロンダがセッラ山群を巡る「ドロミ テの観覧車」だとすれば、一日のうちに90kmを 移動しながらドロミテの山々を巡りそのエッセ ンスを見せてしまう、グランデ・グエッラは、 「ドロミテの万華鏡」と呼ぶのがふさわしいに 違いない。

 三日目にアラッバへ行きセッラ・ロンダを楽 しんでいても、それはそれで満足したに違いな い。その後の日程をチヴェッタトレ・ヴァッリ の探索に費やしたとしても、誰がそれを不満に 思っただろうか。だが、行けば必ず新たな感動 があり、発見があるイタリアスキーの醍醐味に、 更にこのグランデ・グエッラが加わったことの 意義は大きい。探索隊は幸運の女神とすれ違い、 その衣の裾をしっかりと捉えたのである。

 シルヴァーノからは、グランデ・グエッラに 参戦して完走したことを証明する表彰状が送ら れてきた。羊皮紙ふうのクリーム色の地に、ス キーをはき銃を背にした軍装のイタリアの山岳 兵二人の写真と、行軍する小隊の写真が右側に 配置されている。

 「選ばれしスキーヤーに授与する」と一番上 に記されていて、中央には名前が書き込まれて ある。Baba Heinosukeの手書き文字の下を見て みると、勇者の証しとして刻印されたナンバー は00437と読めるのであった。
勇者の証。
グランデ・グエッラ完走表彰状


セッライ・ディ・ソットグーダ。大氷壁大氷柱が迫る

サンカッシアーノ、ラ・ヴィッラのエリアを望 む

サンカッシアーノ、ラ・ヴィッラのエリアを望 む

グランデ・グエッラ :セッラ山群の眺め


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